例えば、最終的に施工費2000万円、35坪の住宅を建てるとすると、
設計事務所に設計と監理を依頼することで発生する設計監理料は、
安くても150万円は下らないでしょう。

 上記の建物をハウスメーカーや施工業者さんに依頼した場合、
お客様に渡される設計図書(図面)は一般的にA3で7、8枚程度ですが、
設計事務所に直接依頼した場合は、少なくても35~40枚程度作成しお渡しします。
(規模によっては70枚以上作成します。)

 『設計無料』『無料プラン作成』などと宣伝しているハウスメーカーなどは、
設計費用としてのご請求はないでしょう。
しかし、広告宣伝費用などと同様に設計費用も何らかの形でお客様が支払っている
ということは、ご想像いただけることと思います。
P1260073

 設計事務所ではお客様と納得のいくまで対話を重ね、
約4~5ヵ月かけてこの詳細な図面を作り上げていきます。
(確かな技術力をもった施工業者さんであれば、この設計図書
適正な監理でほぼ同じ建物を作ることができます。)
 
この4~5ヵ月を、長いと思われるお客様もみえるかもしれません。
しかし、この時間こそが夢を実現させるための大切な時間なのです。

P1260076 
 
 設計期間中は、全体像を最初に固め、徐々に細部に関することを
お客様と共に決めていきます。
2次元の図面では分かりにくいことも、模型やパース等をつかって
分かり易く進めていきます。

 仕上げ材のサンプルを触って確かめたり、
設備機器のショールームに足を運んで、実際に使い勝手を
確認したりしていただくこともできます。

  工事が始まってからバタバタと様々なことを決めるのではなく、
始まる前にゆっくりと時間をかけて決める・・・
家づくりを楽しむ
ためにも、この時間は必要です。

そして、お客様の希望を具体化するための設計図書も、
夢の実現には必要不可欠なものなのです。
                       P1260074
  
 設計事務所では、この設計図書を基に、
3社以上の施工業者さんに見積もりを依頼します。

経験から申しますと、見積もり金額の安いところと高いところで
概ね200~300万円の差がでます。
(150万円の設計監理料などは軽く超えてしまいます。)
 
 見積もり金額に差が出るのは、施工業者さんそれぞれに得意分野があり、
使う材料や工法によって、仕入れ値や手間代にかなりの差が生じる為、
というのが大きな理由です。
(他社と競い合って出した金額である為、という側面もあります。)

 そして見積もり明細をチェックし、概算予算書との調整を行い、
見積もり金額、実績、技術等を考慮して、施工業者さんを決定します。
P1260062

 工事が始まると、設計事務所お客様の代理人という立場で、
工事監理にあたります。
手抜き工事などもってのほかですが、施工精度のチェック、
仕上げの具合の確認などをお客様の立場に立って行います。
施工業者さんに対する技術的な助言も行います。

 工事監理が入るということは、施工業者さんにとってもメリットがあり、
例えば、経験したことのない工法や初めて使う材料を施工する場合、
設計事務所に確認・相談しながら工事を進めることができます。
 お客様の希望を確認する必要が生じた場合にも、設計事務所を通すことで、
確認漏れや誤解を少なくすることができます。                      
                             P1260066
  
 また、お客様が工事の現場でなにか疑問に思ったり、不安になった場合、
なかなかその場では現場監督や職人さんに聞きづらい時があるかもしれません。

 そのような時も設計事務所にお問い合わせいただければ、
お客様に代わり現場に確認をして、ご返答させていただきます。

 疑問・不安を残すことは疑心暗鬼につながり、不満の種になります。
設計事務所がお客様と現場をつなぐ橋渡しとなり、満足のいく家づくり
お手伝いをさせていただきます。

 また、すでに施工業者さんを決めているお客様にも、
設計事務所はお役にたてることと思います。

 たとえば、施工業者さんがご親戚・お知り合いの場合・・・
後々のお付き合いを考えると、なかなか思ったことが言いにくいものです。
 しかし、間に設計事務所を通すことで、お互いに言いたいことが言え、
後顧の憂いなく家づくりに専念することができることでしょう。(笑)

 このような立場の者がいる場合といない場合を、ぜひ想像してみてください。
設計事務所への依頼は、それほど高いものではないと思っていただけたでしょうか?

000006


homify での 小栗建築設計室