住み手がいなくなり、空き屋となった家屋が増えているそうです。
放置の理由は様々です。
思い出の家だから手放すには忍びない、
売りたくても(希望の金額では)売れない、等々・・・
この度のお客様は、
お父様の遺された家(空き屋)を、リノベーションして、
ご夫婦でお住まいになるという選択をなさいました。
敷地は、いわゆる『めくら地』と呼ばれる接道のない場所で、
古家を壊して売ることも困難でした。
放置しておいても固定資産税はかかります。
お父様が亡くなられてから数年経ち、
いつまでも空き家のままにはしてはおけない状態にありました。
写真①
現行の法律上、接道していない敷地では、
新しく建て替えることも不可能です。
しかし耐震性はかなり低く、リフォームでは住み続けることはできません。
そこで、ご提案したのは『減築』とい形の”リノベーション”です。
古家は2階建てでしたが、新たに住まわれるのはご夫婦お2人。
ならば2階部分を撤去して(軽くする)、耐震性を高め、
既存の骨組みを補強して、安全で住みよい家に改築するというものです。
写真②
まずは2階部分を手作業で解体しました。
いまにも崩れ落ちそうで、冷や汗ものでした。
写真③
次に1階部分を骨組みだけにしました。
写真④
写真④の状態では、どなたが見ても不安になられることと思います。
もちろん、このままではいけません。
まずは、基礎を補強します。(既存の基礎は無筋でした)
写真⑤
次に計画図を基に壁を補強していきます。
写真⑥の右側の既存の筋交いは断面欠損がありましたので、後で補強しました。
写真⑥
そして、まだ使える木材を再利用して小屋組みをします。
写真⑦
写真⑧では、新しい木材と再利用の木材が混在している様子が
よくわかります。これならご安心いただけると思います。
写真⑧
リノベーション・減築~親の遺した家に住むという選択②へ続きます。